アナイアレイション ー 全滅領域 ー

うん、映画というのは、やっぱり見るだけ無駄なのかもしれないな。

 

そう観終わった時、思わなければならない作品を観てしまったことは、なんと残念なのだろう

 

これはそういった作品のひとつだ

 

 

私は展開の速い作品が好きだ

この作品は描く必要のない一年姿をくらました軍人の旦那が突如家に帰宅し(このシーンにも、整合性が感じられない。レナという元軍人の現生物学者という肩書きの自己保守的インテリ女が二階の寝室で壁の色変えという長時間無防備な状態に身を晒される行為を行いながら、しかもアメリカという銃社会のなかで、鍵を掛けていないのは、オカシイ。どうやってあの男は入って来たのか? 模倣されたケインが自宅の鍵を模倣された段階である任務中に所持していたとでも言うのか?) 血を吐き、救急車に運ばれながら、死に物狂いで(これもよくある)夫にしがみつき警察という国家権力に牙を剥こうとする、不倫女。

 

それは、シマーという関わった者の悉くの消息を断つ魔の領域への介入を、主人公であるナタリーポートマン演ずるレナに提示する導入であったはずだ。

 

この作品は一體、何十分の時間をその導入に費やしたら気が済むのか?

 

露ほども面白くない前座を長々と見せつけられ、ようやくシマー内に侵入したと思ったら、知的好奇心をくすぐられることもない粗雑な画面が続き、突如、スラップスティック的な恐怖、ワニに水の中へひきづられる、という、なんの変哲も無い図面。あそこのシーンで、疑問に思った人は多数居ただろう。ひきづられていた彼女はカバンがカバンが、と言っていた、そして事後に外傷があったという発言もなかった通り、やはりカバンを咥えられたようだ。だが、カバンは背中にある。身長150cm以上の人間の背中にあの平べったいワニの頭部がなぜわざわざあのような高所にあるカバンに噛み付こうとしたのか? 普通、足を噛むだろう。

 

 

それは、不自然でしかなく、脚本家があのシーンではまだ出演者である彼女をリタイアさせたくはなかった、という脚本の要請による扇動だと言えるだろう

 

 

また、作りが甘い、としか言いようの無い部分がある。

まず、シマー内に入った時、これまでの記憶が曖昧になり、機械などの故障は確認されないが、外部との通信は根絶している、とメンバーから発言されるのだが、機械などによる通信機能が外部と正常に働くであるとか、記憶に関する人間の生体変化などは、シマーと外部との境界付近で容易に実験可能であり、当然その実験結果は彼女たちに知識として与えられているべき代物では? 

それらの科学的追求が緩いため、作品全体が、なんやようわからん植物が出て、なんやようわからん動物に遭遇して、なんやようわからんおばさんが口からなんやようわからんモン吐き出したかとおもたら、なんやようわからんまま気づいたら灯台がもえとって、陰険なことだけはわかるなんや辛気臭い顔した防護服まみれのオッサンになんやようわからんこと質問責めにされたウチは、わからん、としか答えれへん。せやかて、わからんもんはわからんのや。しょうがないやんけ。

 

と、いうフワフワした映画で、終わっている

 

なにが、知的な映画なんでしょうかねえ?

 

他にもあげましょうか?

 

この作品?のチンケな部分を

 

まず、愛妻的な一面を誇示している、レナが実は不倫家でした。だから、夫であるケインは自殺とも言える任務に従属した。この不倫、という部分、鑑賞者からすると、意味がわからない。なぜ、不倫したのか。という不可解な行為については、一切言及されることもない、ああ、つまりこれはサバサバした情愛とかそんな人間特有の生々しい事象を放棄して人間の遺産である崇高にして深淵なる未知との遭遇による究極の知性を垣間見ることに命を捧げた学徒の追従映像なのね、と納得しようと思うが、イチイチ不倫された哀れな夫であるケインとのイチャイチャ動画が垂れ流される。意味がわからない。鑑賞者はなにかな? この映像をみて涙でも流せばよいのかな? 「ああ、おいおい、おいおい、ばあさんや、かなしいのう、かなしいのう、ワシは涙がとまらんわい、不倫されたことを知ったケインはエリアXに自殺しに行き、不倫した自己保守的インテリクソサブカル女たるレナは本当は悪いとも思っていないのに、頻繁に夫とのラブ・ラブな生活を回想し、自分はヒドイ女だと自己嫌悪することに一種の快楽を感じてしまっているのを見ると、かなしいのう、かなしいのう、なみだがとまらんわい」と?

 

そのクセな、あいつら、キスするよな?

 

なんなんやろな?  あいつらキスしすぎなんや

 

一部の性病は唾液接触だけでも感染するんですよ?

 

キス、キス、してるけど、不倫してるやないか

 

あの女

 

あの偽りのキスこそ、人間の愚かしさを象徴しているんですよ、と伝えたいのかな?

 

えらく、当映画と趣旨が外れているように思えますが。

 

 

それから、まだありますよ。

 

あの脳筋女が後半で騒ぎを起こすんですが、その騒ぎを起こす動機がなんとも、レナはロケットに写真を入れているんですが、目覚めると、脳筋女がこの男は誰だ? と椅子にグルグル巻きにされたレナとその他2人のメンバーの前で問い詰めてきました。

 

いやいやいやいや、おかしいでしょう。なんで人のロケットにわざわざ手を突っ込んでその中身を見てるの?  どれだけそのロケットに興味心発揮しちゃっているんですか?  そしてですよ。その写真は単なる夫なわけで、レナを嘘つき呼ばわりする意味はないわけです。確かに当初、彼女は夫について言及はしていなかったが、仮に彼女の夫がこの作戦に関与していたからといって、それがあの脳筋女になんの関わり、不都合があったんですかねえ。ナイフで引き裂こうとするほどキレる動機と関与づけるのは無理がある。もちろん、それらに対して、一応回答はある。あの脳筋女は体表面内部に蠢く気配を感じ、ビデオの中の男のように仲間に引き裂かれることを恐れていたから、とかシマー内では頭がオカシクなるから、とか。

 

僕には、それが、普通にクマに襲われるのではなく、それの最大限の効果を期待できる動けない状態でクマに襲われたほうがオモシロイ。よりコワイ。なら、動けない状態にしなければならない。なら、あの脳筋オンナがそれにはちょうどよい。しめしめ。という脚本の要請による扇動にしかみえない。

 

 

 

 

はあ、ぼくだって、良い作品を観て、ああ、良い作品だった、ここのこんなとこがよかった、サイコウ サイコウ と褒めそやしたっていいんですよ。

でもねえ、このアナイアレイション ー 全滅領域 ー はそんな代物ではなかった。

 

僕が天才だと思う架空の映画監督がもしこの世に存在していたとしたら、まず、このような題材を選ばないが、ヤレと言われたら、この映画で描かれたことを、2分で描くだろうな。

 

そして、この映画は約二時間

 

 

あ〜  長い 2分だった