あなたに触らせて

このエドゥアルド・カサノバ監督は天才か!?

 

と、2分47秒程度まで観て思わない人がいるだろうか?

 

7分程度まで観た感想となるが、

 

なぜ、このおばさんは、裸なのか?

 

なぜ、このおばさんは、「世の中は恐ろしく、人間はおぞましい。でも逃げることはできない。悪は己の内にある」などと、そのおぞましい乳房とその恐ろしいほど膨れあがった下腹部を携えて、神妙な面持ちでそれらを語るのだろう?

 

そしてなぜ、この異様極まるおばさんを双眸に捕らえながらも、このおじさんはまるでアンコを着飾ったモチ米であるボタ餅を見るときの平然さを湛えた瞳でおばさんを直視することができるのだろう?

 

そしてなぜ、この部屋はピンクなのか?

ピンク一色でしかないのか?

 

 

 

このようにして、視聴した人間は怒涛の疑問に駆られる。

 

極め付けは、選択された女の子が異様に美しい声と異様に美しい歌詞で、おじさんを圧倒することだ

 

そこには、歌い出すまでの、自己紹介も、なぜ、この女の子は私の前で突如歌い出したのか?というおじさんの疑問もない。まるでそれらがあらかじめ予定されていたかのような、当然さで、

 

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物語的な進行基軸を予想すると、男性は、誰も傷つけたくない、と言い、そして子供が産まれたようだ。そしてそれに対しおばさんが、神から苦しい人生を歩むように運命づけられた者には我々が苦しみを与えることが許されている、といった旨の発言や、男にする? 女にする?  性別は問わない。なら、チャンスが2倍ね、などといった旨の発言が見受けられたことから、男性には抑えがたい何らかの性本能、暴力性があり、しかもそれは子供に指向されやすいのかもしれない。そういった人間のおぞましき本質を吐き出させる為の、一種の風俗業の亜種とも呼ぶべきセラピー業を展開するおばさんと客であるおじさんとその商品との間で展開されるほろ苦くそれでいてどこかチョコレートのような暖かい血が根底に流れている、もの悲しく、ヒトのやるせなせを表現する映画なのだと、予想された

 

 

 

ぼくはさ、こういう映画が好きなんだよね

 

NieR レプリカントやNieR オートマタとかの、音楽が好きだって人は、上述した盲目の少女が歌う(いや、盲目の少女だからこそ、目の見えぬ女の子が歌うことによって最大限効能が発揮される歌詞だからこそ、という作品は最早聴いている人間には作品と認識することができず、まるで歌詞の中で綴られた感情の持ち主が、本の中から抜け出してきたかのような実感を受け)異様に美しい劇中音楽に必ずや感嘆の情を湧かせずにはいられないだろう。単純にNieRの方にも英語ではない歌詞が含まれ、(このあなたに触らせて、はスペイン映画だが)その響きが似ているというところもある。

 

 

 

繰り返すけどさ、ぼくはこういう映画が好きなんだよね。

 

あの子が歌っている(歌っているようにはあまり見えなかったが)曲だって、普通は、「ミュージカルかよ。はあ、またミュージカル映画かよ。ワタシ嫌いなのよね。ニシンのパイ。じゃなくて、ぼく嫌いなんだよねミュージカル映画って」と多くの人間が思う事案なのに、そう思えず、また、何らの説明もなく歌いだすことが、僕には魅力的に思えてならない。

 

 

ぼくはさ、説明なんていらないと思うんだよね

 

たとえば可愛い女の子がいる

 

その女の子の、おっぱいを揉む

 

その女の子のワキの匂いをかぐ

 

その女の子にキスをする

 

そういったことに説明がいるのか?

 

そう、捕まるからだ

 

そんなことをなんらの文脈を用意せずにしてしまうと豚箱に連れ去られ、姉のかわいい姪にすら、一生口をきいてはもらえなくなるかもしれない

 

だが、映画やアニメで人を殺しても、それを演じた声優や俳優や、それを描いたアニメーターは捕まるのか?

 

だからですよ。作品にね、説明なんていらない

 

 

だがねえ、この世の作品になんと無駄な文脈の多いことか。

 

たとえばね、輪るピンクドラム、「イマーーージーーーーン」と言ってね、熊のぬいぐるみらしきものから高速射出装置らしきものが発生し、それに乗ったペンギンの被り物をした女の子が危うい丈のスカートを履きながらツカツカとその生足を剥き出しにしながら階段を降り、最後に「生存戦略しましょうか」と言うのだけれど、それらに一切、説明はない。なぜ、そのような形而上空間が突如として屹立したのかも意味が分からない。

 

だが、それがいい

 

KILL la KILLもそうですね。

満艦飾マコのあの人智を超絶した独白形態、そしてあの本能寺学園周辺に生息する住民のRPGを他者にぶつけることも厭わない破綻した倫理感、それらに説明はない。

 

ただ世界がそうなっているから

 

それが唯一の釈明ですよ

 

それらと同価値にあるのが、展開の早い作品ですね。

 

 

このところ、コードギアス:反逆のルルーシュを全話観たんですが、一話から、最高でしたね。「俺はブリタニアに復讐する」そんなことをルルーシュが言うのですけど、普通は、なぜそんなことを思ったのか、という点を掘り下げて二話ぐらい凡庸な作品だと消費しかねないないんですけど、ルルーシュはそこまでを2分で描き、その上、普通の凡庸なアニメなら、<面白くない期間である>青年になるまでの成長過程をもチンタラ表現してしまうんですが、それもルルーシュはカットするんですね。

 

いや、最高でしたね。あのテンポは